just in case...... ファッションのインスピレーションとは

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街にはたくさんのヒントが溢れています。

建築、写真集、植物、音楽、映画、、、そして、街そのものが刺激そのもの。

見慣れた毎日の中にも、今日の自分に話しかけてくる何かがあるはず。そんな探し物からファッションを考えてみるのも楽しい。

ジュエリーデザイナーやバックデザイナー、靴デザイナーなど、ファッションにまつわる小物のデザイナーには、建築を勉強して、デザイナーに転身した人は、少なくありません。

 


そういえば、最近も傘のイラストを描いてるくれた、メレディス ウィングが、まさに建築学科でした。

 


ところで、わたしの全くの持論ですが、建築は、美しさを追求する様々な表現方法がありますが、まさに、美学の原点ではないかと思っています。様々な制約の中に、美しい空間を作る仕事。その様々な制約の中で、原点は、重力。とりわけ、成長を続けてきた人間の歴史とともに、目新しいものを作ろうとする野望のある建築家にとって、重力のバランスをとりながら、かつ、半永久的に、どんな自然現象にも耐え、安全で、しかも美しい。まさに究極の美しさ。

 


だから、建築や空間は、とても身近で優れた美学の教科書。

 


ちょうど、銀座店で周りを見渡していたら、手元に、心にひっかかる本があり、パラパラとめくっていたら、インテリアを撮影した写真なのに、なぜか、ひとつのグラフィックアートのような、不思議な感覚。建築やインテリアという大きなスケールを、着てしまうって、もしかしたら、面白い化学反応が起きるかも?そんな実験が、今日という日を特別な日に変えてくれたりするかもしれません。

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BAPE STORE TOKYO 

 

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TOKYO CURRY LAB.

 

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THE ICECREAM STORE

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銀座のストラスブルゴは、片山正通さんにインテリアをデザインしていただきました。

この写真集を見て、改めて考えてみると、片山さんの空間には、モノガタリがあるような気がします。

モノが入って、人が入ると、不思議とモノガタリが始まり出す。空間を移動するごとに、語りかけてくる、舞台のようなワクワクがあります。

 


今日も、心にひっかかる何かを探して、ファッションで遊んでみるのはいかが。

 

just in case......エレガンスを考える

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nspiration from "The romance of Lacroix" by Patrick Demarchelier October 1987

 

4月29日の日本経済新聞に、「エレガンスへの弔鐘」1) という素敵な記事がありました。ユベール・ド・ジバンシイの「美意識」について書かれたもの。とても共感させられる内容だったので、引用させていただきます。

「彼が追求したエレガンスとは、顧客の人格や生きる姿勢といった内面にまで迫る価値観といえる。」2)

「こんな言葉を残している。「女性は身につけるものでエレガントになるのではない。どのように身につけるかでエレガントになる。」「どのように」は「どんな人間として」と意訳できる。彼にとってエレガンスとは「整えた外面」と「知性、教養、生き方などの内面」との調和だ。」3)

そして、ジバンシイが礼賛された時代を振り返り、「経済成長で大衆化が進むなか、より豊かな精神性に憧れる人々もエレガンスに価値を見いだした。」4)

そして、記事は、こんなメッセージとともに結ばれていました。「だが、21世紀に入ると、ジバンシイが追求した価値観に社会は重きを置かなくなったようだ。革新という名のもとでの装飾、あるいはシンプルという表現での徹底した日常性。そこに「気品」や「優雅」への目配りはあるのだろうか。ジバンシイのエレガンスの時代は終わった、だが、新世紀のエレガンスとは何か、そろそろ考えてもいい。」5)

さて、新世紀のファッションとは?ファッションは、ライフスタイルの変化や、世界の勢力図、関心事に大きく左右される、社会現象。最近、ライフスタイルの変化といえば、ショックだったと同時に、そうだなぁ、とつくづく思ったことがありました。それは、新卒の新入社員がコンピューターを使ったことがない、ということ。インタビューすると、テレビを見ない、雑誌を見ない、それからコンピユーターは使わない。そうなんです、、もうお気づきの方もいらっしゃると思いますが、現代っこなのに、コンピューターが苦手なのは、スマートフォン時代だから。ちょっと前に、「computer? what’s computer?」とタブレットを使う子供がいうTV CMがありましたが、もうコンピューターはひと世代前。スマートフォンがあれば、全部、手のひらでできてしまうわけです。どこでも携帯できるから、ずっと、四六時中その世界に没頭できる訳で、実際には、ネット上に生きているような時間が多く、だから、歩きながら、通勤しながら、常に、両手が解放されるバックパックスタイルがどんどん増えています。この間、電車に乗るひとを見ていたら、80%がトートバック。うち、レザーではなくてエコバッグが10%。そして、あとの20%は、バックパックでした。かくいうわたしは、バックパックではないものの、バックに求めるのは、両手が開くようにクロスボディができるストラップは必須。そういうところに、現代のユーティリティがあるわけですね。

当然、生まれた時からそういう環境にある若い世代が、とどまるところを知らずに進化して、意識せずとも新しい時代を造り、「未来」がおもろくて、飽きさせない分、突き進むわけで、世代間のギャップはますます広がり、過去へのノスタルジイを世代を超えて共有していた、スローで優しい時代は終わったのではないかと思います。そして、ファッションだけではなく、社会全体の価値観の変化が、時代を攪拌中。でも、これは、決して嘆くべきことではなく、むしろ、渦のような流れの中に、抗わず、時代を客観視しながら、「新世紀のエレガンス」を考えるのはいかがでしょう。

そんなことを思いながら、客観的に社会を眺めると、でも、やっぱり、美しさの基準は、普遍的なものなのではないかな、と思うのです。

たとえば、エレガンスが人の内面に存在すること、美しさはどのように身につけるか、つまり、装いとの向き合い方、態度である、ということ。それから、人を納得させるバランスなど。人間の心に突き刺さる不文律的なものが確かに存在するのではないかな、と。

「意識して装う人」から発信されるメッセージは、語らずとも伝わります。そういう人は素敵だし、そういうことが自分でも楽しいと思います。そして、雑誌でもテレビでもなく、個人が発信源となった今の時代に、もし、羅針盤を失いそうになったときは、今の心の琴線に触れる「テーマ」を直感的に探すことだと思うのです。

例えば、たくさんの才能が集まって作り出された美しさの結晶「Vogue 100」 a century of style から、今日、心にふれる美しさのテーマを見つけ、現代版にアレンジしてみる。そんな実験はどうでしょう。

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左 Inspiration from "The romance of Lacroix" by Patrick Demarchelier October 1987

右 Skirt The Hyalines / Shirt Barba / Necklace Simon Alcantara / Knit Aliquam

ウェストマークしたAラインスカートのエレガンスを現代アレンジで再現。女優気分で、歩幅広めに、Aラインのスカートの揺れる裾から楽しさを振りまくように街を歩いて。

 

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左 "Marlene Dietrich in London" by Cecil Beaton October 1936

右 Dress Martin Margiela / Jacket Aliquam / Belt The Hyalines

 

ハンサムな女性を代表する、ファッションアイコン、マレーネ・デートリッヒの妖艶なシルエットを礼賛し、女性らしさのムーブメントをリバイバル

 

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右 Tops Proenza Schouler / Skrt Cedric Charier / Bag Proenza Schouler

 

デジタルを想起させるラインの連続。スポーティに転化させると、現代風に。

 

廣田尚美さん著「20世紀からのファッション史」という本の中に、ヴィヴィアン・ウェストウッドの言葉を引用していました。「過去において人間が何を成し遂げたかを理解し、それを今日のものと比較するように努めるべきです。そうすれば、私たちは、原因と結果の因果関係がわかるのではないでしょうか。そこから、未来がどのようなものか少しずつ見えてくるかもしれません」

 

ファッションは、楽しみながら、感じて、考える。まさに、毎日が実験だと思うのです。そして、気持ちがフィットするイメージを探して、寄り添って、演じきれば、ファッションがイメージを現実に引き寄せてくれたりします。

とても社会的なことを反映するファッションですが、実は、極めて個人的なこと。

それでいいのではないか、と思ったりもするのです。

 

 

 

それから、もつひとつ。わたしがお店でお客様に出会うこと、そして、お客様にファッションやジュエリーをご提案させていただくのが心から好きな理由。それは、まさに、ジバンシイの言葉に潜んでいます。「女性は身につけるものでエレガントになるのではない。どのように身につけるかでエレガントになる。」「どのように」は「どんな人間として」と意訳できる。彼にとってエレガンスとは「整えた外面」と「知性、教養、生き方などの内面」との調和だ。」 ひとりひとりの内面の美しさ、隠れている美しさを引き出すこと、もしくは、美しさを知っている人から学ぶこと、その全てが、ひとりひとり違うので、常に新鮮な発見と驚きがあります。そして、それが、少なからず、毎日の幸せにつながっていると思うのです。 

1)-5) 2018年4月29日 日経新聞 著 松本和佳

 

 

 

just in case......少女の心を思い出させてくれるもの

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そういえば、少女のころ、思いついたら止められなくて、祖母が集めていた、様々な模様の、様々な色の包み紙と、おもちゃ屋さんの動物やおもちゃの絵が小さくたくさん書かれている包装紙を、小さく小さくちぎって、それで、切り絵を作って、空想の世界を膨らませていたように。

そういえば、少女のころ、ananをみて、パリの女の子のインテリアが胸にキュンときて、早速、雑貨屋さんで、使いもしない色鉛筆や、何を入れるかわからない可愛い瓶や、色とりどりのシールとか、秘密のことを書こう、となんの秘密かわからないけど、額縁が描かれたカギつきの宝石箱のようなノートを買ったりしていたように。

そういえば、少女のころ、パリって、きっと、ツイッギーみたいなかわいいお人形みたいな女のこがたくさんいて、ミニスカートにちっちゃめのトレンチコートきて、華奢で長い脚に細身のアンクルブーツ履いてて、ショートヘアで、ちょっと、意地悪で、裏でタバコとか吸ってて、でも、シャイで、ヘッドフォンで音楽聞きながら、そばかすが嫌いなの・・・・・・って、ちょっと悩んでたりして、、、、とか、想像が止まらなくなっていたように。

少女というのは、何かと心を夢中にさせられる、「キュン」と刺さる矢のようなものをたくさん見つけるのが上手で、夢見上手。

わたしは、Catherine(カトリーヌ)に会うと、いつもあの頃の少女の心を思いだします。心の奥がふわっと軽くなって、綺麗なビー玉みたいな彼女の目の奥を、シャイな彼女に見られないようにじっと見つめると、その奥にある、少女のままの空間を思い出して、ちらっと覗き見したくなるのです。生活を楽しんでいる、というか、世の中が、大きな海だとすると、色々な事象が海面をざわざわさせているのだけれど、ざわつきが届かないけど、太陽の光だけが届く、海底のような揺るがない居場所で、鼻歌を歌いながら遊んでいる子どもみたい。

いいアイディアを思いついた時(よく、なんだか彼女は、ふと思いつくのだけど)、目を斜め上にあげる仕草が印象的で、いたずらっぽく笑うCatherine。「ちょっと、魔法をかけてあげるから、あっち見てて」とでも言っているような、そんな口元で、器用に、ジュエリーを色紙で包んだり、何かを奥から持ってきて見せてくれたり。

その彼女とは、4月に、銀座と六本木のストラスブルゴで、昨年に続き、2回目のパーソナルアピアランスをしてくれることになった、Dorette Jewelryのデザイナー、Cathrine Levy(カトリーヌ・レヴィ)。

わたしは、そんな彼女が作る、ピュアで、物語が潜んでいるような、色石の華奢なリングが大好きで、重ねた時の、その魔法のひとさじが降りかかったような、不思議と出てくる存在感にぐっときてしまいます。そして、何より、彼女のときめきを共有しているような、楽しい気分になります。

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Photo by Cathline Levy(メールに毎回ついてくるくすっと笑える写真1)

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Photo by Cathline Levy(メールに毎回ついてくるくすっと笑える写真2)

甘いスタイルが苦手なわたしが好きなくらいですから、一見甘く見えますが、決して甘くはなく、彼女自身のように、芯が強くて遊び心があるのです。18金のイエローゴールドを使っていますが、色石をセッティングする土台の部分は、シルバーを使います。色石の天然の色がそのまま出てくるように、色のないシルバーを。

ジュエリーは、全て1点もので、彼女自身が、インドに石を探しに行きます。石をじっくりと吟味し、配列するそのカラーセンスは、遊び心と、彼女がもつアート感覚が注ぎ込まれます。

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Cathelyne 自筆のデザイン画

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去年、Catrineとステキな友だちのAgenes と。パリの女子会。

Cathrineのお友達Agenes(写真右)は、イギリスの先進的な画家Vanessa Bell (1879-1961)を研究し、フリーランスとしてVogueなどファッション誌を擁するコンデナスト社、当時、パリのライフ&ファッションを体現し、一大ブームとなったA.P.C.とコラボする、など、アートを通して心が通うステキな人です。お互いに共通言語があるのでしょう。この時、わたしは初めて会ったのですが、ナチュラルで、それでいてよくモノを見ている鋭い人。

このブログを読んでくださった方が、もし、お時間が合えば、ぜひ、彼女と彼女のクリエイションに触れてほしい、と思っています。みなさんの忙しい毎日の中で、きっと、こころの中にある、少女のころや、ヒカリだけがキラキラと注ぐ、海の底の静かな時間と空間を思いだしてもらえるのではないかと。

パーソナルアピアランスは、4月7日(土) 14時〜19時 ストラスブルゴ東京ミッドタウン店、4月8日(日) 12時〜19時 ストラスブルゴ銀座です。

ぜひ、お出かけください。

 

just in case......1月、ミラノで。

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冬のミラノ。石造りの建造物でできたヨーロッパは、ストーングレーがよく似合います。

1月末、2018年秋冬コレクションの前哨戦が始まりました。

しばらく、レディスファッションでは、新しい話題がなく、沈静化していたミラノの街も、最近のGucciの大改革と快進撃に、少し活気と自信を取り戻した様相。

イタリア人と日本人はよく似ている、と言われます。わたしもつくづくそう思うことがあります。きっと、イタリアも日本も、ツーリスト以外は、ほぼ単一民族でできている国ですから、だから似てしまうのかな、と。

特に、Gucciのように、国民的スターが現れると、いろんなことはさておいて(?)、単純に元気になったりするところは、どこかよく似ています。

とはいえ、日本と大きく違うのは、遺された街並み。

見慣れてしまっても、朝、夕には、残された遺跡のように美しい。

例えば、どこということもなく、そのあたりの同じ場所に、日がな一日座って空を眺めているだけでも、色っぽい景色が時間とともに現れるさま。どこからか、弦楽器の音でも聞こえて来そうな色気があります。

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白い不思議なテントにが見える建物は、私たち、買い付けに行くバイヤーや、ジャーナリストが、とりあえず、欠かさずに訪れるお店。Corso Como 10。

この店のディレクターで、ファッションアイコン、カルラ・ソッツァーニは、イタリア版Vogue編集長、フランカ・ソッツァーニの妹。カルラ自身も、ELLE、VOGUEで編集を務めたあと、このセレクトショップを立ち上げました。ファッションと同居する二人のよく似た姉妹。昨年、姉のフランカ・ソッツァーニが病で急逝し、業界に大きなショックを与えました。

ちなみに、フランカ・ソッツァーニの死を予感したのか、彼女の息子が撮影した、ドキュメンタリーは、リアルな彼女の在り方や、新しい刺激と挑戦の覚悟、自分に与えられた使命を全うする姿が描かれた感動的な映画でした。

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ファッションとアートを「体験する」ことをコンセプトに作られたこのミラノを代表するブティックは、「ものを買う」こと(手に入れること)で満たされるファッションへの欲求から、もう一度、それが、辿りつくまでの過程を体験することへ欲求でもあったことを思い出させてくれるようで、とても面白い空間。

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ギャラリーと、アートブックやポップなアーティストの雑貨が並ぶショップも併設され、ギャラリーの入り口付近から抜ける屋上に出ると、アートが無造作に青空に置かれた広い空間が広がります。

寒い1月末の屋上には、誰もいなくて、まるで、不思議の国に紛れ込んだような錯覚に。

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モードでエッジの効いたハイブランドが並ぶ、このブティックは、モダンでアートなカルラの世界観。

今の時代を感じさせる、大人のスポーティなひねりをさりげなく取り入れたスタイルが似合いそう。

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Blouson Monclaire / T shirt Paco Rabanne / Bag Paco Rabanne / Skirt Paco Rabanne

 

大切にしたい、その日のためのワードローブを。

just in case......春を呼び寄せるカラーを。

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2018年の春が始まりました。

美しく、穏やかな元旦を迎え、寒い日は続くものの、不思議なことに太陽の色は、日々、明るく、透明感を増し、昨年までどんよりとしていた冬の雲は、太陽の色を受けて、白さを増すようです。

さて、2018年春が始まり、お店には、毎日、真新しい、お洋服が続々届き始めています。

今年は、何を着ようか、と抑えきれず、ワクワクしてきます。毎年訪れるこの季節、美しく劇的に変化する四季のある日本に生まれて本当に幸せ、としみじみと思います。

さて、ちょうど一昨日、あるジャーナリストの方から、この春のトレンドについて、取材を受けました。

今、時代は、これまでに経験したことがないほどの速さで、急激に変化し、そして、様々な場所で、マイノリティが声をあげ、既存のパワーバランスの矛盾をあらわにして、浄化の方へと進んでいます。

よく、ファッションは、時代を映す鏡、といいますが、2017年、2018年は、ファッションの歴史の中でも、記憶に残る劇的な変化の年になるではないかと思います。

実像と仮想、現実と理想、コミュニケーション手段の変化(言語から映像へ)など、様々なものの有様が変わり、2017年が混在、あるいは混沌とすれば、2018年は、期待もこめて、理解と開眼に向かう年ではないでしょうか。

そして、時代を映すファッションは、過剰供給への反発から本物志向(couture) へと、また、同時に、人が作り出したケミカルなマテリアルへの傾倒を強くしています。

ストラスブルゴでは、この春、立ち上がりに、Neo Punk & Neo Coutureというテーマを掲げました。

この移りゆく"時代"をもっと自由に、そして積極的に楽しみ、一方、真に価値のあるもの"クチュール"(高級仕立て服が持つ、技と時間が作り上げるもの)へ目を向けたい、そういう思いが込められています。

先日のゴールデン グローヴ賞の授賞式でも、ハリウッド女優が着ていたような、毅然とした、それでいてセンシュアルなブラック。そして、臆することのない、女性を象徴するカラー、パンキッシュピンク。それらを、ストラスブルゴでは、クチュール的なアプローチで、品と強さを感じさせる切り口で、毎日をリフレッシュしてくれるファッションに置き換えました。

春のNeo Punk & Neo Couture。どうしても暗い色が多くなりがちな冬からの第一歩は、目の覚めるようなピンクをさりげなく取り入れるというのはどうでしょう。

春を待つのではなく、呼び寄せてしまうような、そんな前向きな気持ちを応援してくれるピンクを。

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大切にしたい、その日のためのワードローブを。

just in case......新しい刺激に出会える場所へ

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今日まで、街は、クリスマス一色。サンタクロースのお供、トナカイの首にかけられた幸せの鈴音が、一斉に世界中に響き渡り、国境をこえ、Happyがこだまします。太った笑顔のサンタクロースおじさんが真っ赤な衣装を着て、子供たちの夢を叶えに空を駆けるなんて、なんて素敵なお話。宗教に関わらず、このサンタクロースのお話のおかげで、世界中がクリスマスを楽しめているようで、こころがあたたかくなります。

さて、クリスマスが終わると、年越、新年へのムードにシフトします。

2018年、どんな一年になるのでしょうか。時代の変化のスピードが、3倍速で進んでいると言われる中、さらに、世界の構造や効率を変えるような大きな変革が訪れる予感。そして、変化のスピードが早い今、抗うのではなく、むしろ楽しみ、変化を受け入れる柔軟な心を持つために、何か新しいものに「出会う」ための時間を大事にしたいと思うのです。

インターネットは、とても便利で、必要な情報の入手は、20年前に比べると驚くほどたやすくなりました。でも、一方、思いもしなかったものに出会えるのは、やはり、書店だったりするような気がします。

多種多様の本や雑誌、画集や、写真集、ムック本などが並ぶ中、自分のアンテナはどこに引っかかるのか。それを探すのは、とても大事。だから、私は、書店に行くと、スキャニングをすることにしています。

先入観を持たず、とにかく、目を満遍なく走らせる。気になったものを手にとってみる。パラパラめくってみる。ぐっと惹きつけられたものを調べてみる。掘り下げてみる。関連のものを探してみる・・・・・・。

そういえば、雑誌が一番の情報源だった学生のときは、よく、学校帰りに書店に立ち寄り、立ち読みして、雑誌の中の様々な雑多なコンテンツが、興味の扉を開いてくれてような気がします。

だから、時々、わたしは、休日に代官山に出かけます。

駅を降りて、ボンジュール・レコード、ボンベイバザー、ハリウッドランチマーケット、そして、TSUTAYA書店、と、なんとも休日気分を盛り上げてくれるラインナップ。お昼前に出かけて、駅に着いたら、このお散歩コースを歩きながら、情報収集。

デニムでリラックス、でも、足元には、しっかりモード感をプラスして。代官山は、風が強いから、ニットの上には、しっかり風をシャットアウトしてくれるマッキントッシュのコートがよく似合います。

夕暮れまでには、帰路について、たっぷりもらったインスピレーションを抱えながら、休日の後半を楽しむ、そんな日のためのワードローブ。

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Bonjour Record

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Bombay Bazzar 

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Hollywood Lunch Market 

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Tautaya Daikanyama

 

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Coat Mackintosh / Knit Proenza Schouler /Denim Siviglia /Shoes Joshua Sanders / Gloves Jo Gordon / Bag One Six One / Jewelry Sophie Buhai

大切にしたい、その日のためのワードローブを。

 

 

just in case......夕暮から、緑が美しい中庭で。

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 ホリデーシーズン。

世界のそれぞれの街で、それぞれのクリスマスが訪れています。わたしがいる銀座の街は、ラグジュアリーブランドがウィンドウ飾り、たくさんのカップル、家族がこの時期の華やかな街歩きを楽しみ、1年頑張った自分へのご褒美を探している、素敵な女性にも巡り会います。

都会の中に、ふと、みつかるオアシス。

たとえば、クリスマス前の年末に、出かけるとしたら......。

少し早めの夕暮れから、アペリティフをして、静かに、でも華やかに、落ちて行く陽の名残を楽しみながら、エスケープできる場所。

わたしが、こんなところが東京にもあったらいいな、と思う空間のひとつ。 それは、ミラノ ブルガリホテルのIL GIARDINO。

ハイブランドのフラッグシップショップが軒を連ね、景観の中に溶け込みながらも、フォーシーズンズや、パークハイアットなど世界のラグジュアリーホテルがあるミラノ中心地。 マンツォーニ通りを挟んで、一本入ると、急に建物の区画が大きくなら、いかにも高級住宅街へ入ります。 この中の、さらに奥に、ひっそりと、ミラノ ブルガリホテルがあります。

入口は、華美ではなく、むしろ、とてもさっぱりとしていて、メインストリートからは、一見、ホテルに通じる道とは思えない佇まい。 そして、そのホテルに入ると、なんとも美しい中庭に通じるバーがあり、車の音がまるで聞こえず、小鳥のさえずりが聞こえてきます。

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エントランスから、バー、そして、庭園に通じる導線は、喧騒から遠ざかるヒーリングのような体験。

空間デザインは、リゾートにあるいくつかのSmall Luxury Hotelの演出も手がけるSophie Agatha Ambroise という女性が手がけたそう。

"Experience"は、環境と、音、そして、そこにいる人たちが創り出す一瞬。

わたしは、だから、素敵な場所に行く時は、女性はとくに、その場の華になってもらいたい、と思うのです。

さて、ミラノ ブルガリホテルのIL GIARDINOでのExperienceを楽しむなら?

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Dress The Hyaline / Knit Aliqum / Pants Aliquam / Shoes Manolo Blahnik / Bag Eddie Borgo / Hat Kaori Millinery

大切にしたい、その日のためのワードローブを。